ときどき神主ブログ - 境内に秋葉神社が神籬祭祀で?
神籬祭祀(ひもろぎさいし)という言葉があります。
神様を祀るのにあたり、その神様の依代(よろしろ)となるのが神籬で、例えば、地鎮祭では榊を立て、御幣を付けたりしたものを神籬とします。
その後、御神体があって、神様がいつもいらっしゃるようになり、神殿(本殿)が造られ、更に拝殿などの施設が整えられて今の神社になったのでしょうから、神籬祭祀は神社祭祀の初期の姿ではないかと思います。
先日、宗像大社にお参りしたところ、ご社殿が修復中で、仮殿に神様がお遷りされていました。その仮殿の雰囲気がまた素晴らしい。
御神体があるのですから、当然おやしろが奥にあるのですが、その手前に神籬。
こういう形の神社も、これからあるのではと感じました。
それで、櫛原天満宮の境内に何かあるの?、、、という話なのですが、先日雑木を伐採していたところ、「あれれ?こんなところに榊が?」
榊の根っこの石は、あとでちょっと並べたのですけど、根本から他の木がうっそうと茂っていたため気が付きませんでした。
なぜ、この灯籠と狛犬さんは石の祠の正面ではなく、ずれたところにあるんだろうと疑問に思っていたのですが、これで解決しました。
石灯籠には「秋葉社」の文字が。
時代は、文化元(西暦1804)年。210年前ですね。
狛犬さん。
榊はそんなに大きいわけではありませんので、先々代の宮司さんあたりが植えられたのかも知れません。秋葉社と書かれた灯籠や狛犬も、もしかすると他のところにあったものが櫛原天満宮の境内に移されたのかも知れません。
榊に向かって拝礼すると、ちょうど東向きとなりますので、例えば、皇居や伊勢の神宮、橿原神宮の遙拝の目印として使われていたかも知れません。
いずれにしても、「神籬祭祀ってのもいいな~」と思っていたところに出現(?)したわけで、少しずつ環境を整えていこうと思います。