久留米とんこつ親子鷹　映画「ラーメン侍」　１０月公開目指す　「人情」の味わい　スープに込め　舞台は九州　撮影快調

　「とんこつラーメン発祥の地」として知られる福岡県久留米市を舞台に、ラーメン作りに打ち込む親子を描いた映画「ラーメン侍」の撮影が進んでいる。実際の店の厨房（ちゆうぼう）でカメラを回す本格ご当地映画で、１０月下旬の九州公開を目指す。

　久留米市を中心に福岡、大分、佐賀３県で「大砲ラーメン」を展開する「大砲」の香月均社長が中心となって企画、３月から制作が始まった。

　監督は、全編久留米ロケの映画「Ｗａｔｃｈ　ｗｉｔｈ　Ｍｅ―卒業写真」（２００７年）など九州ロケ作品６本を制作した瀬木直貴さん。「１杯のラーメンが人の心も、まちも変える」と信じてラーメンを作り続けた父親と、その父に反発しながらも味を継ごうと奮闘する息子の物語だ。

　息子役のラーメン店主を演じるのは俳優渡辺謙さんの長男大（だい）さん。香月社長らプロから調理を教わりながら撮影に臨んでいる。福岡出身の山口紗弥加さんや、鮎川誠さん、高杢禎彦さんたちも出演する。

　瀬木監督は「今や韓国、台湾などアジアの若者にも注目されるとんこつラーメン。観光資源でもある『とんこつ』のルーツ・久留米から、スープに込められた深い人情を発信することで九州が元気になるきっかけになれば」と意気込む。

＝2011/03/09付 西日本新聞朝刊＝