奈良時代に入る頃には、律令神祇制度(りつりょうじんぎせいど)も確立し、さらに養老律令が制定され、後代の規範ともなりました。 中央には神祇官が置かれ、国家祭祀と神社行政を取り扱い、制度上「祭(まつり)」と「政(まつりごと)」は区別されました。 諸国の神社のうち、国家神として認められた神社には、祈年祭のとき朝廷から幣帛(へいはく)が奉られることになっていましたが、この奉幣にあずかる神社を「官社(かんしゃ)」といい、それを記上た神名帳(官社帳)を神祇官が保管しました。 大化改新後、仏教はますます隆盛し、神道にしだいに接近してきました。 そして諸国の神社に付属する寺院を設け、そこに僧侶を置き「神宮寺(じんぐうじ)」としました。 伊勢神宮の大神宮寺を始め、次々に建立されました。 神仏習合が進んできたとはいえ、まだ神が主で仏が従だったといえます。 また、有力な神社(御祭神)には、朝廷から神階が与えられたのもこの頃からです。