「お伊勢さん」とか「大神宮さん」などと、親しみをこめて呼ばれている伊勢神宮は、本来は単に「神宮」というのが正しい呼び方です。 神宮は、国民すべての祖神(おやがみ)でもある天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする皇大神宮(こうたいじんぐう:内宮)と、私たちの生活に欠かすことの出来ない衣食住の恵みを与えてくださる豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りする豊受大神宮(とようけだいじんぐう:外宮)の二つの宮を中心に、十四の別宮、百九の摂社・末社・所管社を含む百二十五社から成り立つ、日本で最も大きな神社です。 宮中でお祀りされていた天照大御神を、第11代垂仁(すいにん)天皇の御時に伊勢の地へお祀りして以来、約二千年もの間、いつの時代も皇室の弥栄(いやさか)、国家の安泰、国民の平安を祈るお祭りが続けられてきました。 神宮では、年間に数多くのお祭りが斎行されますが、その中でも新穀を棒げる神嘗祭(かんなめさい)は最も大切なお祭りとされています。