神社の本殿は、御祭神(神霊)や御神体が祀られている最も重要な所です。 奈良時代より以前には、本殿のようなものはなく、神さまを山や樹木、岩などにお迎えしてお祭りをしたといわれています。 今日でも大神(おおみわ)神社(奈良県)や諏訪(すわ)大社(長野県)は、山を御神体としていて本殿がありません。 これは、古代の様式を今に伝える顕著な例といえるでしょう。 奈良時代頃から、社殿建築が発達し、神明造(しんめいづくり)(伊勢神宮)、大社造(たいしゃづくり)(出雲大社)といった純日本式の建築が現れ、その後時代が下るにつれて大陸文化の影響を受けたり、仏教寺院の様式の一部を取り入れたりして多様化しました。 その様式の一部を示すと、春日造(かすがづくり)(春日大社)、住吉造(すみよしづくり)(住吉大社)、八幡造(はちまんづくり)(宇佐神宮や石清水(いわしみず)八幡宮)、流造(ながれづくり)(賀茂御祖(かものみおや)神社)、権現造(ごんげんづくり)(東照宮)などがあります。