「鳥居」は神社の象徴となっていますが、これは神社の入り口に建つ一種の門であり、神さまの聖域と人間世界との境界を示したものだといわれています。 大きな神社では、たいがい二つ以上の鳥居がありますが、その場合は外側にある鳥居から一の鳥居・二の鳥居・三の鳥居と呼んでいます。 鳥居の起源については、よくわかってはいませんが、一説によると天照大御神(あまてらすおおみかみ)が岩戸隠れのとき、鶏(常世(とこよ)の長鳴鳥(ながなきどり))を止まり木にとまらせて鳴かせたところ、それによって大御神が岩戸から出てこられたことから、以後神前には鶏の止まり木をつくるようになり、それが鳥居になったといわれています。 また、語源については、「通り入る」とか「鶏居(とりい)」という言葉が転化したものといわれています。 普通、鳥居の構造は、二本の柱と柱の上に乗せた「笠木(かさぎ)」、その下に水平に通された「貫(ぬき)」という柱から成っています。 材質は、古くは檜(ひのき)や杉などを用いた木造でしたが、後世には石造・銅造・コンクリート造などもできました。 また、一見したところ同じように見える形にも、神明(しんめい)・鹿島(かしま)・春日(かすが)・八幡(はちまん)・明神(みょうじん)・稲荷(いなり)・山王(さんのう)・両部(りょうぶ)・三輪(みわ)などの種類があります。 これらを大別すると、神明鳥居系と、神明鳥居が装飾的に発展した明神鳥居系の二つになります。 全国的に多く見られるのは、後者の明神鳥居系です。