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ときどき神主ブログ - 20080924のエントリ

昔ばなし 久留米市高野町「タニシが池」

カテゴリ : 
歴史
執筆 : 
office 2008/9/24 14:13

昔、高野のある農家に、たいそう孝行者の娘がいました。家は貧しかったのですが、父と娘の二人で楽しく暮らしていました。

ところが、そのころ、5年間もの間日照りが続き、毎年五月の五穀豊穣の祈願もききめがなく、村人も困り果てていたとき、たまたま六部が通りかかりました。六部とは全国の社寺などを巡礼して、旅をしながら修行している人です。六部は村人に頼まれて天をつかさどる神である天帝におうかがいをたてると、池の主が、巳年巳日生まれの15歳になる娘を人身御供(ひとみごくう)として求めていることがわかりました。

さっそく村人が集まって調べてみると、孝行娘がそうだとわかり、父親は泣く力もうせて、とぼとぼと家に向かいました。 帰りしな、ふと見ると、苗代田で鳥がタニシをつついています。農夫は鳥を追い払い、「おまえも親か子がいるだろう。鳥に食われたら家の者が泣こうものを」といたわって、タニシを逃がしてやりました。

いよいよ人身御供に行く晩、白装束に身を包み、村人に見送られた娘は、池の端で念仏を唱えていると、にわかに星空が真っ暗になり、大雨が降ってきて、娘はそのまま気を失ってしまいました。

翌朝、昨夜の雨は夢のように晴れ上がり、村人がおそるおそる池に行くと、驚いたことに、大きな池を二つ割るようにして大蛇が死んでおり、何千、何万というタニシが大蛇に吸いついていました。娘は無事に家に連れ戻されましたが、その後、この池をタニシが池と呼ぶようになり、大蛇の体があった所に土が積もって、池は二つに分かれたということです。

久留米市史-『郷土研究筑後』第三巻第七号






















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