五色絹の「五色」は、古代中国に成立した「五行説(ごぎょうせつ)」という学説に由来します。 五行説とは木・火・土・金・水の五つの要素により万物が組成され、自然現象や人事現象の全てを解釈し説明するものです。 木火土金水は方位に対応し、それぞれ木=東、火=南、土=中央(天位)、金=西、水=北を表します。さらにそれぞれが、その方位を守る四神とその色に対応し、木=東=青龍=青、火=南=朱雀=赤、土=中央(天位)=黄、金=西=白虎=白、水=北=玄武=黒となります。神前の真榊(まさかき)や上棟祭(じょうとうさい)の折に使用する吹き流しの五色の絹は、天地万物を組成している五つの要素、木・火・土・金・水を意味しているのです。