「神輿」を音読みして「シンヨ」ともいいます。 神輿は、祭礼にあたり神幸祭(しんこうさい:多くの場合、年一回の例祭後あるいは祭礼中に行われる)に際して、御神体あるいは御霊代(みたましろ)がお乗りになる輿(こし)のことをいいます。 普通は木製の黒漆塗りで、形状は四角や六角、八角などがあり、台と胴と屋根の大きく分けて三つの部分から成り立っていて、屋根の中央には鳳凰(ほうおう)または葱花(そうか:ネギの花の形をした飾り)が置かれています。 担ぎ方などは地方により少しずつ異なり、それがまた祭礼の大きな特色にもなっています。 古い文献を調べると、『本朝世紀』天慶八年(九四五)七月の「摂津国言上解文」にすでに見えています。 現存する最古の神輿は、鎌倉時代初期に造られた誉田八幡宮(こんだはちまんぐう:大阪府)所蔵の金銅装様式風のお宮造り神輿で、風変わりな神輿としては、里芋の茎で神輿の屋根を葺き、いろいろな野菜、花などで飾った瑞饋神輿(ずいきみこし:北野天満宮)があります。