二月の最初の午の日には、全国各地の稲荷神社で「初午祭」(はつうまさい)が行われます。 これは、京都の伏見稲荷大社の御祭神である宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)(倉稲魂神)が、和銅四年(711年)の二月の初めの午の日に、現在の本社の奥にそびえる三ケ峰の山上に降臨されたことにちなみます。 しかし、学者によっては稲荷が農業に関係する神さまなので、農耕に使用する馬、つまり午の日を祭日として選んだという説をとなえる人もいます。 もともと稲荷とは「稲成(いねなり)」、つまり稲が成育することを意味し、五穀をつかさどる農業の神さまでした。 それがいつしか商工業や漁業や鍛冶屋など、幅広い信仰を集める神さまにもなっていったのです。 この日、全国各地の稲荷神社では、五穀豊穣を始めとして、家内安全や商売繁盛を祈る人たちでにぎわいます。