「盆」とは仏教固有の行事のように考えられがちですが、決してそうではありません。 これは、正月行事などと同じように、古くから伝わる日本固有の先祖祭りの行事なのです。 その日本の行事と、仏教でいう先祖供養の行事が一緒になり、盆として習俗化したといわれています。 盆には、亡き人の霊が家に戻ってくるとされ、もともとは旧暦の七月十五日を中心に行われていましたが、現在では新暦の七月十五日に行う地方と、旧暦の七月十五日に近い八月十五日に行う地方とがあります。 一般に盆という言葉は、盂蘭盆会(うらぼんえ)(梵語(ぼんご)ウラバーナの音訳)の略とされていますが、供え物を載せる容器を、かっては盆といったことから、この行事を盆というようになったとの説もあります。 いずれにしても、盆という行事は日本人にとって、先祖の御霊(みたま)を祭る意味を持つことから、とても重要視されているのです。